2022年11月24日
1975年
第40号:2022年11月号
私の生まれ歳です。先月また一つ歳をとりました。最近1980年代後半や1990年代前半の中学生や高校生の頃に何気なく聞いていた流行歌に心を打たれることが多くなりました。歌詞の世界観や登場人物の心情などが、リアリティーをもって伝わってくるのです。30年以上の時を経て、当時の歌が今に蘇るなんて素晴らしいなと感動するとともに、歌詞に共感できるようになったこと、そのような人生を歩んでこられたことに嬉しさを感じていました。
歳をとり、様々な経験(医師としても人としても)を積み重ねて悩み考えてきたこと、もちろんたくさんの失敗や挫折もありました。苦渋の決断に迫られて、あきらめたことも数知れず。その過程の中で得てきたものすべてが、人の成長なのだと思うのです。振り返ってみて、あの時もっと冷静に判断していれば良かったとか、もっと優しくできたのではないかとか、一抹の後悔はもちろんあります。しかし、人は何歳になってもまだまだ成長できますしこれでいいという終わりはありません。
つい忙しい毎日の中で、お子さんの成長のことばかりに目がいきがちですが、さてみなさんご自身の成長はいかがでしょうか?子を授かり、母になり父になり、思い通りにならない子育ての中でもがき苦しんだこともたくさんあったことでしょう。今まさに真っ直中かもしれません。親になって初めてわかる親の気持ちもたくさんありますし、仕事や人生に対する向き合い方や考え方も随分変わってきたのではないでしょうか。
秋の夜長に、私同様ふと懐かしい曲をきいてみたり、好きだった本を手にしてみたり、学生時代の映画を観たりなんでもいいのですが、昔の自分と静かに対話してみてください。ご自身の成長が感じられて、なんともいえない温かい気持ちになるものですよ。