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院長コラム

選ばれる人になる

2026年1月26日

選ばれる人になる

第78号:2026年1月号

 新しい年がスタートしました。SNSが発展し、情報はAI先生が教えてくれるこの時代、「選ばれる人になること」が重要だと思っています。この人に頼みたい、この人に教えてもらいたい、この人と一緒に働きたい、この人と一緒に〇〇を頑張りたい等ありますが、選ばれる人になるために何が必要なのか私なりに考えてみました。一つは、学び続けること、2つめは思慮深いこと、最後に礼節を重んじることです。

これまでの経験は大切ですしそれに基づいた感性も必要ですが、やはり時代に合わせて正確な情報をアップグレードしていく必要があります。例えばわれわれの専門であるアレルギーの世界は、ダイナミックに変化しています。病気そのものの捉え方や治療においても日進月歩で、常に勉強していかないと専門医でもついていけません。学会や勉強会、セミナーに積極的に参加して意見交換をし、新薬がでればその有用性について、製薬会社の担当の方を招いてクリニックスタッフと院内勉強会を開催したりもしています。プロとして学び続けていく必要性をいくつになっても感じています。これはどの分野においても性別・年齢問わず言えることではないでしょうか。

そして、思慮深いこと。衝動的に判断し行動せず、物事を注意深く、慎重に考え抜き、様々な視点で捉えられること。最後に礼節を重んじること、単に形式的なマナーということではなく、他者への敬意とおもいやり、丁寧な言葉遣い、立場や気持ちを尊重する、時間を守る。そうしたことの積み重ねが信頼関係を築き、良好な人間関係に発展していくのではないでしょうか。信頼を得るには相当な時間を要しますが、失墜するのは一瞬です。

人から選ばれる人になる努力をすると共に、自身も人を選んで良いと思います。時間を守らない人、一方的に要求してくる人、やってもらって当たり前と思うような人、依存的な人、支配的な人、さらに恩を仇で返すような人とは潔く決別しましょう。心地よい人間関係の根底にあるのは、お互いの信頼と尊敬です。

学び続けながら、己の感性を信じ、人間力を高めて、さあ新しい年を始めましょう。今年もよろしくお願い申し上げます。

親離れ・子離れ

2025年12月19日

親離れ・子離れ

第77号:2025年12月号

 中2の娘が、学校の研修でオーストラリアに飛び立ちました。14泊16日間、そして現地で14歳の誕生日を迎えます。せいぜい修学旅行の2泊3日くらいで、生まれてからこんなに長く離れることがなかったので、寂しくなってしまうのかなと思いきや意外に大丈夫そうです。(今のところは)インフルエンザが例年より早く蔓延したこの時期に、万全な体調で無事に送り出せて正直ほっとしています。親元を離れ、さらに文化の違う異国で、様々な経験をしてくることでしょう。帰って来てからの成長が楽しみです。

そして母は、友人と鹿児島探訪をしてきました。今回の目的は、臨床心理士である彼女のお父様にお会いして、カウンセリングを受けることでした。御年84歳、東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得後に、埼玉の重度知的障害児施設での勤務を経て、鹿児島大学教育学部教授として長らく勤務され、65歳で定年退職後はご自身でカウンセリングや講演活動、スクールカウンセラーとして学校を定期的に訪問し、不登校児とその親御さんの支援を続けていらっしゃいます。現在小中学生の不登校は、35万人を超えています。研究者としても臨床家としても長らく支援を続けてこられた専門家に、直接お話を伺う機会をいただけたことは、本当に貴重な経験でした。幾つになっても意欲的に学び続けるそのしゃきっとしたお姿に、大変勇気を頂きました。「例えあなたが人生に絶望しても、人生はあなたに期待している。」という言葉が心に残りました。まだ駆け出しの頃、小児科医としての礎を築いてくだった今は亡き先生方にも改めて感謝の気持ちが湧き、人生は私にこれから何を期待しているのか?を深く考えさせられた旅でした。

学びがメインかと思いきや、お天気も良かったので、桜島を眺めて、黒豚しゃぶしゃぶや地鶏、旬のお魚も堪能し、島津家ゆかりの照国神社でお参りもして、ちゃっかり観光もしてきました。こうやって、親も子どもが巣立った先の自分の人生を考えながら子離れしていくものなのだなと。今は亡き私の母(直接聞くことは叶いませんが)も、かつてこういう気持ちを抱いていたのかなと帰りの飛行機でふと想像していました。

いくつになっても心配はつきないけれど、親離れ・子離れうまく進めていければいいですね。

私たちにできること

2025年11月29日

私たちにできること

第76号:2025年11月号

 「英語を話せるようになりたいけど、毎日勉強するのは嫌です。」と言われたら、英語の先生はきっとお手上げです。「いつまでに、英検〇級に合格したいから、そのためにどの教材を使って毎日どのくらい勉強すればいいか教えてください。」と言われれば、親身になってくれることでしょう。私たちもまったく同じです。「風邪をひく度にぜいぜいする辛い咳を治したいけど、喘息治療はしたくないです。吸入ステロイドは嫌です。」「荒れている皮膚をきれいにしたいけど、ステロイドや保湿を毎日塗るケアは面倒です。」「食物アレルギーを克服したいけれど、毎日少しずつ食べていく治療は大変そうだからやりたくありません。」このように言われてしまうと正直お手上げなのです。

 英語の例えのように、具体的な目標がある=自分の事として捉えている、そのため努力ができる。そうであれば、いくらでもアドバイスはしてもらえますし、途中うまくいかなければ、軌道修正しながら一緒にゴールを目指せるでしょう。医療の世界も同じです、ご本人とご家族が治したいと思えるか=自分達のこととして捉えられているかどうかです。先生に言われたから、ちゃんとやらないと怒られるから、本当はやりたくないけどしぶしぶ、だからやったりやらなかったりでは効果は期待できせん。乳幼児であれば、ご本人に代わって親御さんに主導権を握ってもらう必要があります。喘息治療を中断してしまい、発作を起こして駆け込んでくる方が後を絶ちません。スキンケアを怠り、痒みが強くひっかいた傷から感染して、「とびひ」になるお子さんもいらっしゃいます。不注意からアレルギーのある食品を誤食してしまい、搬送される方も。また、お子さんの病状をお聞きしても「???」で全く把握していらっしゃらない、それではどうすることもできないのです。専門家の力を、皆さん自身が生かしきれていません。

 お子さんの身体のこと、大きくなればご本人自身が、自分事として向き合ってこそ、私たち専門家のアドバイスは生かされます。あくまでもこうすれば良くなるというご提案なので、そこに強制力など何一つありません。最終的にそれをやるかやらないか、その結果にもご自身が責任を持っていただきたいと思っています。

自分事として捉えて、専門家の力を存分に生かし、日々実践して健康に過ごしていただきたい。それが私たちの願いなのです。

半世紀生きてきて

2025年10月25日

半世紀生きてきて

第75号:2025年10月号

 1975年10月27日生まれ、今月で50歳です。気が付けば、半世紀生きてきました。振り返ると、順風満帆とは程遠い「紆余曲折」という言葉がピッタリで多くの挫折を経験してきました。また両親を始め、お世話になってきた方々との悲しいお別れもたくさんありました。25歳で医師という仕事に就いた時に、正直ここまで続けてこられるとは思っていませんでした。20代、30代、40代と仕事も人生も経験を重ね、今50代に突入した自分が形成されているとしみじみ感じます。不遇なことも全て、渦中の時はしんどく投げ出したくなることであっても、後から振り返るとそこから学ぶことがたくさんありました。

 そして、目下酷い更年期障害に悩まされております。内科で各種詳しい検査を受け、婦人科に定期通院しながらホルモン補充療法を1年数か月続けていますが、現在劇的な改善は認めていません。まさに不調のデパート状態です。クリニックスタッフに支えてもらいながら、われわれを頼りにして来院して下さる皆様の、少しでもお役に立ちたいと何とか頑張っている状況です。これまでの人生経験から、また先輩達の助言もあり、この状況もいつか必ず出口がくると信じています。そして自身のこの辛い経験から、いつか「お母さん外来」「女性診療外来」を立ち上げたいと思うようになりました。もともと大学を卒業した際は、その道に進もうと考え、内科や産婦人科を中心に研修していました。性差医療というものが注目され始めた頃で、まだ女性医師も少ない時代でした。

 子育ては本当に大変の一言につきます。そして物理的に労力がかかる時代は、自身の健康を後回しにしがちです。かつて私もそうでした。30代40代仕事と育児に追われてきました。娘の受験期とコロナ禍も重なり、相当無理をしたと思います。でもセルフケアを怠ったつけは、後から必ずやってきます。自分を労わることは、周囲の人たちを労わることに繋がります。「自分の機嫌は自分でとる」という言葉を最近よく耳にしますが、まさにそうだと思います。私も更年期障害と闘いながら、セルフケアの大切さを日々痛感しています。そして、更年期の「更」は更に(さらに)という意味、更新、更正という言葉に代表されます。英語では、change of life(人生を変える時期)として前向きに捉えています。

これを機に、公私ともに新たなことに挑戦したいと密かに思う50代!

中2の夏の思い出

2025年9月27日

中2の夏の思い出

第74号:2025年9月号

 夏休みに中2の娘の同級生Aちゃん(同じクラス・部活ではバンドミントンのペア)が我が家に泊まりに来てくれました。Aちゃんは小学校5年生の時に、娘の小学校に転校してきて仲良くなり、さらに二人とも同じ私立中学を受験し希望校に入学、以降もずつと仲良くしてくれていました。部活の大会の際には、Aちゃんのお父様が会場まで送って下さることもあり、大変お世話になっていたので、以前からおもてなしをしたいと考えていました。私はお料理が好きなので、Aちゃんから事前にご要望をお聞きしていました。冷製パスタ・マッシュポテト・餃子の皮を使ったピザ(ピーマンをのせて欲しい)等。冷製パスタは事前に試作を重ねて、トマトと生ハムとバジルの冷製パスタにしました。

 当日、朝から新大久保を堪能してきた2人が夕方我が家に到着。夕食を食べてから、3人でカラオケに行きました。幸いAちゃんは平成前半の男性アイドル曲好みなので、私でもついていけました。3時間があっという間。そして、コンビニでお菓子を買って戻ってきて、3人で「ナンジャモンジャゲーム」で、キャラクターに変な名前をつけては大はしゃぎして楽しい夜を過ごしました。すっかり中2(36年前はリアル)のお仲間入りをさせていただきました。

 娘が幼い頃、夜はシルバニアファミリーで一緒に遊んで、ベッドで絵本を読み聞かせて寝かしつけしていたのを懐かしく思い出しました。読み終わる前に私が寝落ちしてしまうこともしばしば。お休みの日も、あちこちと連れ出していました。夏はプールに、晴れた日は公園へ、雨の日は屋内の遊び場へ。遊んであげていたとう感覚から、いつしか一緒に遊ぶ、いやこちらが遊んでもらって楽しませてもらう日がくるなんて。つきなみですが、わが子の成長をひしひしと感じた夏の夜でした。最近は、日々学校と部活に忙しく、日曜日や祝日もお友達と映画に行ったり、お買い物に行ったり、だんだん親から離れていくことを頼もしく思ったり、少しさみしい気持ちになったり、親も勝手な生き物だなと。そうやって親離れ・子離れしていきながら、心配だったわが子を信頼できる人間にしていく、それを見守り全力で応援することこそが、親の役割だと実感しています。

心配から信頼へ、子どもの成長は親の成長でもありますね。親自身も自分の人生をしっかり生きていきたいものです。子どもはいつか自立しますから。

診療報酬に縛られて

2025年8月5日

診療報酬に縛られて

第73号:2025年8月号

流山市は受給権の提示で高校卒業まで窓口負担は一律200円、薬代は皆さんの支払いは無料です。もちろんわれわれの診療が200円なわけではなく、薬も決して無料ではありません。毎年国が定める「診療報酬」に左右されます。診療報酬は、1点=10円です。例えば、6歳未満のお子さんの初診料が600点とすると、皆さんの負担は200円でも実際は6000円かかっています。ただ包括払いと言って、全てがそこに含まれてしまうので、検査をしてもその分の報酬は追加請求できません。全てクリニックの持ち出し(負担)となります。コロナ禍では、発熱加算がありました。発熱のお子さんを診療しコロナの抗原検査をすると、追加加算(通常診療にさらに上乗せの診療報酬)がありました。大人と違って幼いお子さんの診察や検査には、マンパワーが必要です。昨年から発熱加算がなくなりました。発熱のお子さんの診察や検査、やっていることはコロナ禍と全く同じですが、大幅に診療報酬が低くなりました。

今どこの病院やクリニックも経営危機に陥っています。そして診療報酬に左右されないものが、自費診療となります。美容外科や美容皮膚科等がそれにあたります。「直美」という言葉をご存じでしょうか?現在医学部を卒業後、2年間初期研修が義務付けられていますが、3年目から直接美容に進むことをそのように表現(揶揄)されています。診療報酬に縛られないからです。その影響で内科、外科、産婦人科、小児科を希望する医師が年々減っています。人命に関わる上、責任も重いのに、診療報酬は大幅に下げられている。医師も生身の人間であり、家族もいて自分たちの生活もかかっています。私自身は小児科医という仕事に誇りを持っていますし、これからもずっと続けていくつもりです。ただ、現状続けていくことが非常に厳しい状況に立たされていることは、皆さんにも是非知っていただきたいと思っています。

冒頭の話に戻りますが、窓口200円、薬無料は、結局毎年皆さんが支払っている、さらに毎年上がっている社会保険料から補填されています。限られた医療資源を、本当に必要な人に高い水準で届けていきたいと常日頃から考えています。時々、多めに薬もらえますか?保湿剤もついでにもらえますか?と頼まれますが、お断りしています。私はお子さんに必要な薬を最小限にしか処方していません。限りある医療資源(人も検査も薬も)であること、結果的に皆さんが負担していること、これを機に今一度考えていただければ幸いです。

自ら選ぶ力を

2025年6月27日

自ら選ぶ力を

第72号:2025年7月号

 先日娘と保育園の0歳児クラスから一緒で卒園までずっと仲良くして下さった中学2年生の女児が、お母さんと共に受診されました。1か月以上咳が続いていて心配とのことでした。当院に受診されるのは、4年以上振りでした。中学生なので内科や呼吸器内科の受診も考えたものの、信頼できる先生に診てもらいたいと当院を選んで下さいました。お母さまも昨年甲状腺に腫瘤ができ、最初に近くのクリニックAを受診されCTをとり、B病院を紹介されて、B病院では病理的な詳しい検査もして経過観察となっていました。でも腫瘤が大きく、私の友人の病理医にも診断結果を診てもらったところ、放置しない方が良いとの判断だったので、ご自身で都内にある甲状腺の病気に特化したC病院を受診されました。そこで半年後に入院して手術となり、甲状腺の腫瘤を摘出しました。結果的には癌でした。手術を受けて良かったと安堵されたと共に、誰にかかってもいいわけではない、信頼できるドクターを選んでいかないといけないとご自身の強い思いもあり、娘さんの受診にいらしたわけです。

 結果的に、ご本人やご家族が認識していた以上に検査でアレルギーがあることがわかり、舌下免疫療法を始めることになりました。日本は国民皆保険制度で、好きな医療機関をいつでもどこでも選んで気軽に受診できます。特におおたかの森近辺は当院が開業して8年経ちますが小児科だけで9-10クリニック増えました。かかりつけを決めずにあちこちの医療機関をその時々で受診されている方も多数いらっしゃいますが、常日頃からかかりつけ医としての役割をしっかり担おうとスタッフ一同と話しています。またアレルギーあるあるなのですが、「アレルギー科」を標榜していても、アレルギー専門医ではないことが多々あります。アレルギー専門医や小児アレルギーエデュケーター(小児アレルギー疾患を持つ患者さんやその家族をサポートする専門の看護師、薬剤師、管理栄養士)が常駐しているかなど、ご自身のお子さんが受診される際に、そういったことも是非考えていただければ幸いです。

詳しい問診や診察から、例えば「食物アレルギーの可能性は低いですよ」のアドバイスに対して、「あーよかった!(喜)」「なんでだ!(怒)」親御さんの反応は様々です。誰の言うことを信用するかは、最終的にご家族の自由ですが、自ら正しい情報を掴み、能動的に選んで受診していただきたいものです。われわれも、皆様から選ばれるように引き続き自己研鑽に努めます。

奮起する力になるもの

2025年6月27日

奮起する力になるもの

第71号:2025年6月号

 お子さんが何かに挑戦してその結果が思っていたものと違い、ものすごく「悔しい」という感情が湧いていたなら、それは挑戦して大成功です。なぜなら、この「悔しい」いう感情こそが、新たに頑張ることができる原動力になるからです。一見するとネガティブな感情に見えるのですが、勉強でも運動でも、習い事等においても、うまくいかないからこそうまくいくにはどうすればいいのかを真剣に考えるチャンスが訪れるからです。不思議なことに、他のことではリベンジできないのです。勉強が出来なかった悔しさは勉強でしか、スポーツにおける悔しさはその中でしか解消できないのです。他のことで紛らわそうとしてもそれは一時的なものに過ぎず、心にしっかりと残ります。逆に「悔しさ」が湧かなかったものは、本人にとってもそれほど大切なものではなかったのかもしれません。それならば手放しても良いでしょう。

よく「悔しさをばねにして」と言われますが、まさにその通りだと思います。それほど情熱をかけて取り組んだという証ですから。思えば私自身も、常に沸き上がった悔しさと闘ってきたと思います。「このままでは絶対に終われない・・・」という強い気持ちが、自分を奮い立たせてくれてここまでやってこられました。だから失敗や挫折は大いに経験しておくことで、そこから立ち上がる術を自分で身に着けていくことができます。その力は、「レジリエンス」と呼ばれ昨今大変注目されています。また自身で頑張るだけではなく、多くの人に協力してもらうことも必要です。真の自立とは、自分でなんでもできることではなく、多くの人たちとお互いに支え合って協力し合って成し遂げていくことだと私は考えています。

 さて、うまくいかなかったらどうしようと考えて挑戦しないよりは、最初からうまくいかなくても当然くらいに思ってやってみましょう。うまくいかず、「悔しい」と思うならば続ければいいし、そうじゃなければいつでもやめればいい。人間はやってうまくいかなかった後悔より、やらなかった後悔の方が大きいと言われています。新生活にもそろそろ慣れてきた今、新しいことを始めるにはもってこいの時期ではないでしょうか。

ダメもとでおもいきり挑戦、悔しさをばねにしてまた立ち上がればいい!

キャリアを積むということ

2025年5月26日

キャリアを積むということ

第70号:2025年5月号

 現在の制度と少し違うのですが、私自身卒業して医師免許を取得した後9年後に小児科の専門医を取得しました。もちろん日々仕事をしながら、さまざまな患者さんの病気を学び経験を経て、やっとテストを受けられる資格を得たからです。そしてレポート提出やテスト勉強に追われました。昼休み病院の図書室で勉強したり、仕事後に図書館へ行って勉強して帰ったり、大変でしたが専門医を取得した際は本当に嬉しかったことを今でも覚えています。でもそれは、これからは専門医としてより高度なことが期待され求められる、そのスタート地点に過ぎませんでした。それから3年後に、今度はアレルギー専門医を取得しました。その時は、娘がまだ1歳1か月でした。帰宅すると到底勉強する時間はないので、お昼休み早々に食べて図書室にこもり、外来に問題集とノートを持参して、少しでも患者さんが途切れると開いて見てまた閉じて、何十回も繰り返していました。そちらも同様にスタート地点に過ぎませんでした。専門医は5年ごとに更新しなければ維持できません。学会や講習会、セミナーに参加して必要な単位を取得します。

自分なりに努力して得た資格ではあったけれど、満足せずにそれをこれからどう生かしていくのか、患者さんとどう向き合っていくのか真剣に考えました。日進月歩の医療の世界に身を投じた以上、一生学び続けていく必要があるからです。その結論として、自身のクリニックを立ち上げ責任を持って患者さんと関わっていこうと思い開業しました。困難なことも多々ありますが、感謝され、自身の人間的成長や喜びを感じることもあります。

現在子育てをしながら働いている方、子育てに専念している方それぞれいらっしゃると思います。現代は約7割が共働き世帯となっています。働いている方は、是非働き続けて下さい。キャリアアップして転職してもかまいません。そして現在働いていない方は、働くことを前提とした準備を今から始めてください。かつての私もそうでしたが、今想像できなくても、子育てに物凄く物理的な労力がかかる時間は必ず過ぎていきます。その時に、自身が社会と繋がり誇れる仕事を持っているかかどうか、後半のご自身の人生に大きく影響を与えます。

子育て同様に自分育ても大切、将来を見越したキャリア形成を今からしましょう!

次世代へ繋いでいく

2025年4月10日

次世代へ繋いでいく

第69号:2025年4月号

 赤ちゃんの頃からアレルギーで診させていただいたお子さんが、18歳になり先月高校を卒業され、クリニックも卒業されました。中学生の時には、甲状腺の病気も患い、クリニックから病院へご紹介し入院治療し、今もまだ継続治療中です。最後の日にお母さまと思い出話に花が咲きました。お子さんの成長を親御さんと共に喜び合えるのも、小児科医の醍醐味だと思っています。最後に「何か今後またお役に立てることがあればおっしゃって下さい。」と話すと、「次は孫ですかね。」と言われ、内心えー!!と思ったのですが。流山で小児診療に携わって今年20年となります。クリニックを開業して8年目となりますが、幼少期に病院でお会いしたお子様たちが、お母さんになってこられる日もそう遠くはないと改めて実感しました。今のところまだいらっしゃいませんが。

 昨今少子高齢化は加速していく一方です。子どもがいる人生いない人生どちらを選択するかは一人一人の自由です。産みたくても様々な事情で産めないこともありますし、産んだ後の不安も尽きないと思います。専業主婦の母親と外で働く父親が当たり前だった時代とは異なり、仕事も家事も育児もお互いにパートナーとして尊重し協力していく時代になったとはいえ、まだまだ男性の長時間労働により家事や育児負担が女性に大きくのしかかっているのが現状です。子どもの発熱は必ずといっていいほど母親が呼び出され、保育園に迎えに行き受診して自宅看護する。社内では、「子持ち様」と揶揄される。

 私自身は、子供のいる人生で心から良かったと思っていますが、ずっと仕事も続けてきたので、幼少期は日々生きるのに必死過ぎて正直あまり記憶がありません。寂しい思いをさせてしまったかもしれないし、家族のみならずもっと他人を頼っても良かったかなという思いもあります。中学生になった今では、お互いに愚痴り合ったり、励まし合ったり同志みたいな関係を築けているので、その時々悩みながらもがきながら出してきた答えに正解などないし、子どもはたくましく育っていくものだなと思います。お子さんからさらにお孫さんへ、次世代に繋いで頼られるそんな小児科医でありたいと、新たな決意と共に新年度を迎えます。

 混沌とした世の中ではありますが、次世代に繋げていきたいですね。

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