2025年6月27日
自ら選ぶ力を
第72号:2025年7月号
先日娘と保育園の0歳児クラスから一緒で卒園までずっと仲良くして下さった中学2年生の女児が、お母さんと共に受診されました。1か月以上咳が続いていて心配とのことでした。当院に受診されるのは、4年以上振りでした。中学生なので内科や呼吸器内科の受診も考えたものの、信頼できる先生に診てもらいたいと当院を選んで下さいました。お母さまも昨年甲状腺に腫瘤ができ、最初に近くのクリニックAを受診されCTをとり、B病院を紹介されて、B病院では病理的な詳しい検査もして経過観察となっていました。でも腫瘤が大きく、私の友人の病理医にも診断結果を診てもらったところ、放置しない方が良いとの判断だったので、ご自身で都内にある甲状腺の病気に特化したC病院を受診されました。そこで半年後に入院して手術となり、甲状腺の腫瘤を摘出しました。結果的には癌でした。手術を受けて良かったと安堵されたと共に、誰にかかってもいいわけではない、信頼できるドクターを選んでいかないといけないとご自身の強い思いもあり、娘さんの受診にいらしたわけです。
結果的に、ご本人やご家族が認識していた以上に検査でアレルギーがあることがわかり、舌下免疫療法を始めることになりました。日本は国民皆保険制度で、好きな医療機関をいつでもどこでも選んで気軽に受診できます。特におおたかの森近辺は当院が開業して8年経ちますが小児科だけで9-10クリニック増えました。かかりつけを決めずにあちこちの医療機関をその時々で受診されている方も多数いらっしゃいますが、常日頃からかかりつけ医としての役割をしっかり担おうとスタッフ一同と話しています。またアレルギーあるあるなのですが、「アレルギー科」を標榜していても、アレルギー専門医ではないことが多々あります。アレルギー専門医や小児アレルギーエデュケーター(小児アレルギー疾患を持つ患者さんやその家族をサポートする専門の看護師、薬剤師、管理栄養士)が常駐しているかなど、ご自身のお子さんが受診される際に、そういったことも是非考えていただければ幸いです。
詳しい問診や診察から、例えば「食物アレルギーの可能性は低いですよ」のアドバイスに対して、「あーよかった!(喜)」「なんでだ!(怒)」親御さんの反応は様々です。誰の言うことを信用するかは、最終的にご家族の自由ですが、自ら正しい情報を掴み、能動的に選んで受診していただきたいものです。われわれも、皆様から選ばれるように引き続き自己研鑽に努めます。