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院長コラム

登園の目安

2023年9月22日

登園の目安

第50号:2023年09月号

 発熱を含め他症状があって受診した際に、「いつから登園できますか?」と聞かれことがよくあります。この答えは「今は何とも言えません」です。われわれは、お子さんを診察して必要に応じて検査をし、今日の診たてやこの後数日で予測される経過をご説明しています。月齢にもよりますが、特に乳児や幼児期早期のお子さんの病状は刻々と変化するので、そのまま良くなることもあれば急激に悪化することもあります。少なくとも受診後2-3日はご自宅で療養し、登園の目安について悩ましければ受診していただくことが望ましいと思います。

 ただ、保育園児の親御さんは働いています。3日も休めないという状況もあるでしょう。私は9園の園医をしています。年2回健診に伺うのですが、今年の5-6月はどの園もここは病児保育室?と疑うほど、ぜいぜいしているお子さんがたくさんいらっしゃいました。特に0歳、1歳児クラスでその傾向が強く、園の保育士さんや看護師さん(常駐している園もある)から「熱が下がると、すぐに預けていかれます。」という嘆きをお聞きしました。園に預ける目安=熱がないことでは残念ながらありません。この点は、われわれ小児に関わる医療従事者や保育関係者と親御さんにやや解離があると感じています。特に0歳1歳は苦しい症状を自ら伝えられないため、診察することでわれわれがそれを代弁しているつもりです。時には、「こんなに苦しい咳をしている間は、たとえ熱が下がっていても、もう少し自宅で療養しましょう。」とアドバイスすると仕事は責任があるため、みなさん残念そうなお顔をなさいます。

 いつになったら?何歳になったら?この状況から脱せられるのかと思い悩むこともあると思いすが、2歳半~3歳くらいから驚くほど熱も出さなくなり、感染して症状がでることも少なくなります。それでも感染症には流行期があり、登園していると残念ながら度々もらってしまいます。働く親御さんの置かれている状況は(私も経験しているので)十分理解できますが、われわれはあくまでもお子さんファーストで療養していただけるように、引き続き診断してご説明していくつもりです。

どんなに責任のある立場でも仕事の変わりはいます。でもお子さんの親の変

わりはいません。たとえ疎まれながらも、「登園は無理しないように・・・。」と今日もこれからも言い続けます。

気管支喘息について考える

2023年8月29日

気管支喘息について考えてみる

第49号:2023年8月号

 気管支喘息(喘息)治療薬が長期間処方されているにも関わらず、「喘息」とはいわれていませんとおっしゃる親御さんは大変多くいらっしゃいます。また、風邪をひいて医療機関を受診した際に、ゼイゼイしていると何度か指摘されて吸入しても、その都度さまざまな医療機関を受診していたため、結果的になかなか治らず保育園を辞めてお母様も仕事を辞めたというお話を先日伺いました。今年はすでに例年にも増して、喘息の診断をして治療を開始したお子さんが多数いらっしゃいました。

 日本アレルギー学会のHPに一般の皆様へというサイトがあります。そちらには、アレルギーの病気に関してわかりやすく記載されていますので、併せてご参照頂ければと思います。喘息は、ゼイゼイ、ヒューヒューという喘鳴(ぜんめい)と呼吸困難(呼吸が苦しい感じ)を繰り返す病気です。この繰り返すというのがポイントです。ウイルス(RSウイルスやヒトメタニューもウイルス等)の種類によっては、気管支炎を起こしてぜいぜいしてしまうこともあります。ところが、風邪をひく度に毎回ぜいぜいしてしまうお子さんの場合は、ご本人の体質的に気道(空気の通り道:鼻と口・喉・気管・気管支・肺)が狭くなりやすく、ウイルスだけではなく運動や冷たい空気、花火の煙等でも刺激されます。アレルギー検査や呼吸機能の検査は、診断の参考にはなりますが、いくつかのタイプがあるので、喘息とはっきり診断できる特定の検査があるわけではないというのが、とても難しいところです。特に乳幼児は、自分で苦しい症状を伝えることができないため、親御さんもお子さんの苦しさに気がつかないということも実際にはよくあります。

 喘息の治療には、まさにいまの苦しい症状を楽にする治療、常に起こっている気道の炎症を改善する治療があります。症状が落ち着くと一見治ったように感じますが、この気道の炎症はずっと続いているため繰り返します。定期的に(症状が落ち着いているように見えるときでも)吸入ステロイド薬や抗アレルギー薬を内服することによって、治療することができます。小児喘息は5%(20人に一人)と決して珍しい病気ではありませんが、治療薬の開発が進み入院するようなお子さんの数は劇的に減少しました。是非、アレルギー専門医とアレルギー専門資格を持った看護師にご相談ください。

自分流をみつける

2023年7月3日

自分流をみつける

第48号:2023年7月号

 この春に中学に入学したばかりの女の子が、先日中間テストが終わって結構できたつもりだったけど、自分よりできる子がたくさんいて驚いたと話してくれました。そして最後に、「理科や社会は覚えることが多過ぎる。カモノハシって卵産むのに哺乳類って。もう私才能ないよ。」と嘆いていました。内心、カモノハシ覚えるのに才能必要かな(笑)と思ってしまいましたが。

 私は理系なので、地理は(理科にもつながるので)好きなのですが、正直歴史が苦手です。それでも社会の問題集(720問)を娘と毎週水曜日に50問ずつ対決して、4か月くらいかけて先月やっと1冊終わりました。最初の地理はまだ良かったのですが、日本の歴史なんて30年振りくらいに勉強したので大変苦労し

ました。漢字で正確に書かないと正解にはならないので、やる気になるような猫イラスのノートを購入して、何度も練習しました。どうしても覚えられない年号や人物の名前、建物の名前、事件は自分なりにおぼえやすい語呂合わせを考えたり、物語を作ったりしました。あまりにくだらなくて、娘の失笑をかうこともしばしば。そして最後まで覚えられないものは、対決の直前までぶつぶつ言いながら書きました。

この「自分なり」というところが大切なのです。人には、何かに例えると覚えられたりや理解しやすいものが必ずあるはずです。スポーツが好きであれば、歴史上の人物をスポーツ選手に例えてもいいし、戦いを名勝負に置き換えてもいいのです。もちろん推しのアイドルでもいい。また見る、読む、口に出す、書く、それらの組み合わせ等で定着しやすい方法を早くみつけると、才能を嘆く必要なんてないのです。もちろんそれを仕事にするレベルにもっていくとなると、さらなる努力が必要ですが。

私の場合、しんどい時は次に奈良や京都を旅行する機会があったら、今回覚えた歴史が生かされてきっと楽しいだろうなと古都を想像しながら乗り切りました。そういうご褒美を先に考えて取り組んでもよいかもしれません。

みなさんも是非、早いうちに自分流をみつけてください。ちなみに変な語呂合わせの中身は秘密です。対決の結末も、、、。

猫のいる暮らし

2023年7月3日

猫のいる暮らし

第47号:2023年6月号

 ちょうど1年前、医師になって3年目から19年共に暮らした猫が亡くなりました。老衰と腎不全でした。19歳と長生きしてくれて、ずっと寄り添ってくれたので感謝の気持ちでいっぱいでした。4年前の夏には、多発性嚢胞腎(人間でもあり遺伝する)という腎臓の病気で11歳の猫も亡くなりました。しばらく猫と暮らすのはいいかなと喪に服していたのですが、この度生後4か月の仔猫を我が家に迎えることになりました。生まれた時に、すでに3歳と8歳で成猫しか知らなかった娘は、初仔猫に大喜びです。

 私は、3歳から横浜市緑区で育ちました。文字通り緑が多く、みなさんのイメージする港横浜とは違う雰囲気の街です。そして3歳からずっと猫を飼っていました。歴代の家猫は3代、2代目はこれまた20年以上生きました。さらに家の庭では、遊びにくる何匹もの猫たちを手懐けていました。勝手に名前をつけては、仲良くしていました。大抵は明るいうちにやってくるのですが、夜中にお庭を通り過ぎていくからおやっと思って覗いてみると、たぬきだったということもありました。それくらい、自然豊かな場所でした。私の両親はすでに他界しているのですが、実家跡地には若いご夫婦が家を建てて住んでいらっしゃいます。もうさすがに庭にたぬきは来ないと思いますが。

 調べてみると、猫と人間の歴史は古く約9500年前にさかのぼります。キプロス島の遺跡から人間と一緒に埋葬されたと考えられる猫の骨が、2004年に発見されました。その頃の猫は、人間が栽培する穀物を狙ってやってくるネズミを狩ってくれるありがたい存在であり、お互いにじゃまをしないという共存関係からスタートしたようです。確実にペットとして可愛がられていたのはおよそ4000年前の古代エジプトから、人間は猫をとても大切にして神聖視していたと。

 猫がゴロゴロ喉をならす音が、波の音かそれ以上に心地よいと感じてしまいます。きっと遺伝子レベルで猫好きが組み込まれているのではないかと、古代エジプトに思いを馳せながら、猫との生活を楽しむ今日この頃です。

 猫のいる暮らしは、生活が豊かになります。

 

脱コロナ時代

2023年7月3日

脱コロナ時代

第46号:2023年5月号

 4年ぶりに何の規制もないゴールデンウィーク、みなさんはどのように過ごされましたか?実家への帰省、家族旅行等おもいおもいの楽しい時間となったのではないでしょうか。私自身今年は旅行の予定はありませんでしたが、日付が変わったばかりの5月3日の深夜に胃腸炎を発症し、ウイルスが強力だったせいか(自身の抵抗力の問題もありか)以後3日間寝込んでしまい、とんだゴールデンウィークとなってしまいました。日々感染症の真っただ中におり、きちんと感染対策をとって診療にあたってはいますが、私も生身の人間ですので数年に一度ひどい胃腸炎をいただいてしまいます。親御さんもお子様からプレゼントされないように、お気をつけください。

 さて、新型コロナウイルスの感染者が国内で初めて確認されてから、約3年4か月の時が経ちました。当初はウイルスの脅威に日々さらされ、全国一斉休校となり、第○波のたびに繰り返される緊急事態宣言の中で行動制限され、出口の見えない不安な非日常をどれだけ経験したことでしょうか。われわれも発熱外来を開始して2年4か月、多くのお子様たちを診察させていただき届け出もだしてきました。そして、いよいよ感染症法上の位置づけが、「2類相当」から季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げられました。日常がやっと戻ってきた嬉しさと、新しい生活様式に慣れすぎてしまったとまどいと混在しているのではないでしょうか。マスクの着用に関しても、個人の意見はわかれます。

 アレルギー科医としては、今年花粉が昨年の10倍飛散したこと、黄砂やPM2.5の影響、寒暖差が激しいこと、その状態で気道が過敏になっているところにウイルスが感染して、ひどいぜいぜいを引き起こしたお子さんがたくさんいたことから、アレルギーの病気(特に喘息やアレルギー性鼻炎・花粉症)のお子様たちは、いましばらくマスクをつけて生活した方がよいと考えます。とはいえ、この3年4か月できなかったことやがまんしてきたことがたくさんあったでしょうから、5類に引き下げられた今こそ、新たなことにどんどんチャレンジして日常を取り戻して欲しいと心から願っております。

 脱コロナ時代の幕開け、マスクをつけてもはずしても、みんなの口元は笑顔いっぱいでありますように・・・

異次元の対策よりも・・・

2023年4月21日

異次元の対策よりも・・・

第45号:2023年4月号

 研修医の頃に、お子さんがいらっしゃる女医さんが定時で医局を後にした後、「夜はどうせ俺たちの仕事だ。」という男性医師たちの心無い声が聞こえてきました。それから10年以上の時を経て、自身が妊娠・出産を経験しました。定期のアレルギー患者さんがたくさんいらしたこと、長く休んでしまうと感覚を取り戻すのに時間がかかってしまうこと、社会と繋がることに自身の生きがいを感じること、4月の入園を逃すと0歳や1歳児で保育園に入ることが当時は困難だったこと、その他勤務先の意向等で、娘が生後4か月の終わりから慣らし

保育を始め、生後5か月と同時に職場復帰しました。当時は、親族から「もう復帰するの?赤ちゃんが可哀そう。」と言われました。

 1歳のお誕生日になるまで時短勤務の制度があったので、定時より1時間早くタイムカードを押していました。その際いつも、「すみません。お先に失礼します。この後よろしくお願いします。」と後ろ髪引かれる思いで病院を後にしていました。きっと私が研修医の頃、定時で帰っていく女医さんも同じ思いだったのだろうと。でも今思えば、病院のれっきとした制度を利用しているだけなのに、どうして謝らなければならなかったのだろうかと疑問に思います。

夜間の授乳で寝不足、朝赤ちゃんの支度と自分の支度をして保育園に送り届けて病院の更衣室に入ると、もう一仕事終えたような感覚になりました。そこから1日懸命に働いているのに、なぜだろうか。そこには、心無い言葉を直接投げかけられないまでも、居心地の悪さを感じていたからだと思います。夜間の救急業務を担えないことに対する罪悪感、それを植え付けられるような周りの評価、認めてもらえない虚しさ、当時はいろんな感情が入り混じっていました。もちろん小児科医の子どもだから病気にならないわけはありません。3-4歳頃までもれなくさまざまな流行りものをもらってきました。家族や親族では都合がつかず、預け先がどうしても見つからない時は、仕事を休まざる負えないこともありました。そんな時もきまって、病院に謝りの電話をいれていました。

 そして今研修医時代から20年以上の時が流れました。働くママが偉いとか、早く復帰したから偉いとかそういうことを言いたいわけではありません。働いている・働いていないに関わらず、子どもを産み育てることは本当に過酷なことなのですから。最近の調査で、Z世代の5割が「子どもをほしくない」と回答していると。その理由はお金の問題以外が大半で、「育てる自信がないから」「子どもが好きではない、苦手だから」「自由がなくなる(自分の時間を制約されたくない)から」が上位3つをしめたそうです。世界を見渡しても、少子化が進んでいる国は女性の家事・育児負担が大きいという特徴があります。親世代の苦労を見てきて、自分たちが将来子どもを産み育てることに希望が持てないというのは、小児科医として非常に悲しく思います。

 政府は「異次元の少子化対策」のたたき台を3月31日に発表しました。個人的には異次元じゃなくてもいいから、若い世代が子供を産み育てることに希望が持て、女性だけに家事や育児の負担を強いるのではなく、産後働く・働かないに関わらず必要な子育てサポートを充分に受けられ、周囲から理解して共感してもらえるような対策をと切に願います。

 異次元じゃなくていい、あたりまえの次元で今一度考える過渡期にきているのではないでしょうか。

デトックスを意識する

2023年2月28日

デトックスを意識する

第44号:2023年3月号

 この春に卒園・卒業を迎える皆様、おめでとうございます。親しい友人との別れを惜しみつつも、4月からの新たな環境や出会いに不安や期待が入り混じり、少し複雑な気持ちになるこの季節。今年は例年より花粉の飛散量が多いため、卒園式・卒業式に、悲しいのか花粉なのかどちらからくる涙かわからない、またどちらも絡み合ってくるかもしれませんね。

 最近、「デジタルデトックス」なる言葉を耳にしますが、一定期間スマートフォンやパソコン等のデジタル機器から距離をおいてストレスを軽減するというもの。旅館やホテルによっては、チェックインした際にスマートフォンを預けて、滞在中一切触れずに過ごすプランを設けているところもあるようです。その効果は、目や頭の疲れがとれる、睡眠の質がよくなる、安心が増す、想像力が高まる、五感がさえる等。

ふと、では「ヒューマンデトックス」はもっと必要なのではないかと考えました。誰にも会わない、誰とも話さないといった物理的な時間を作るだけでなく、自分にとって心地よいと思いえない人間関係、むしろ煩わしいと思うものから意識して距離をおくということです。とかく相手にどう思われるかを気にして行動してしまいがちですが、自分が相手をどう思うか、自分にとってこの関係はストレスなく穏やかでいられるものかどうかを考えるために行うのです。

子ども同士の友達関係、ママ友関係、親戚関係、仕事関係、その他さまざまな人間関係において、意識的に定期的にヒューマンデトックスをしてみてはどうでしょうか。クローゼットに溢れかえった着ない服を整理すると、その空いたスペースには新しい春物がやってくるように。心地よくないものを思い切って手放すことで、より自分にとって必要なもの大切なものが新たに舞い込んでくるものですよ。

暖かく、軽やかなこの季節、花粉症の方は対策しながらも、意識的にデトックスして心身共に軽やかに過ごしましょう!

不安要素との向き合い方

2023年2月28日

不安要素との向き合い方

第43号:2023年2月号

 少子化のあおり、中学受験熱が年々加速しています。昨今は、親御さんとお子さんが隣に座って勉強し、スケジュールもすべて親御さんが管理するといった運命共同体的な関り方がどちらかといえば主流となっている模様です。「中学受験は親次第」といったキャッチコピーが巷に流れ、子どもの成績は親の責任といわんばかりに、(親の)競争も激化しています。先日教育のプロの対談を読んでいたところ、とにかく親御さんの不安が強く、「受験に送り出す前にはどんな言葉をかけたらよいか?」「受験の移動の際には、何を食べたらいいのか?」「計算が苦手でやりたがらないからどうしたらよいか?」等後から後からすべての細かい事柄においてでてくるとのこと。

その記事を読みながら、親は一体どこまで子どもに向き合えばよいのだろうかと私なりに考えました。もちろん年齢にもよりますが、勉強や習い事のみならず、お子さんの具合の悪い時もそうです。受診されて、まだでていない症状や今後こうなったらどうしようという親御さんの不安を、必要以上にご質問される方がいらっしゃいます。わからないから不安になるのも理解できますが、残念ながら医療の世界に絶対大丈夫はありません。また状況は刻々と変わっていくものです。すべてはお子さんの現状を、観察するところからはじまるのではないでしょうか。当初の様子と明らかに変わるようであれば、何事もその時点で相談すればよい。つまりは「なるようになる」ということです。どんと構えて、何事もことが起こってから考え対処すればいいのです。

受験の時に何を食べたらいいかなんて、親子で楽しく相談して決めればいいことではないでしょうか。どんな言葉をかけたらよいかだって、お子さんの頑張りを間近で見てきた親御さん自身が考えた、心からの励ましの言葉をかけてあげればいいのではないでしょうか。全てにおいて正解はなく、各家庭によって違って当然ですし、うちはこうしています、こういう親子関係を築いていますともっと胸を張っていただいて良いと思います。

転ばぬ先の杖ではなく、転んでから考えて立ち上がればいい。

親が思うより子どもはたくましので、親が必要以上に不安に苛まれる必要はなく、「なるようになる」の精神で日々おおらかに過ごしましょう。

             (と、いつも自らに言い聞かせています。)

母と娘は年女🐇

2023年1月7日

母と娘は年女🐇

第42号:2023年1月号

 2023年が幕を開けました。そして、私も娘も🐇年女です。12年前東日本大震災の年に生まれた娘も、今年小学校6年生になります。十二支がちょうど一周したのでふと振り返ってみると、保育園時代は娘の体調をいつも気遣っていたのに、今では私の方が娘に心配される立場となってしまいました。寝る前に絵本の読み聞かせをしていたのに、「この小説面白いから絶対読んでね。」と逆に薦められるようになりました。疲れて眠ってしまった娘に毛布をかけていたのに、ソファーで寝落ちしている私に毛布をかけくれるようになりました。ひらがなや漢字を教えてあげたのに、流行りのボカロ曲を教わるようになりました。

 自分はずっと子育て真っ直中にいると思っていたのに、気が付けば子に教えられていることが多く、こちらが育てられていることを実感するこの頃です。そして親子といえども、気質や性格や得意なことが驚くほど違うことを思い知らされます。まさに別人格です。良かれと思ってつい自分の価値基準で物事を判断しては、それを娘に押し付けているのではないかと自問自答することも多くなりました。「今の子は・・・」と言って、自分の幼少期と比較して嘆いてみたり羨んでみたりしたところで、今の時代を生きている子どもたちにとっては迷惑な話です。

尊敬する小児科の女医さん(お子さん達はすでに成人している)がおっしゃっていました。「子育てとか教育とかいうけれど、下手にエネルギーを注がなくても子どもたちは意思を持って生まれてきているのだから、それに寄り添ってサポートすれば良いのよ。」「私の判断することなんて私の経験の中で生まれた基準でしかなくて、良かれと思ってもそれを押しつけてしまうのは、子どもの生きる権利を奪ってしまうようなものよ。」と。

2023年は、“信じて黙って見守り、寄り添う”をモットーに、「言うは易く、行うは難し」ですから、努めて口うるさい母を脱却すると心に決めた新年でした。

うさぎ年の母と娘、次の12年後はもう完全に立場が逆転していることでしょう。それもまた楽しみではありますが・・・。

 

心の大掃除もご一緒に

2022年12月3日

心の大掃除もご一緒に

第41号:2022年12月号

早いもので2022年も残すところあとわずかとなりました。クリニックも無事に5周年を迎え、6年目となりました。コロナ禍も丸3年となり、感染対策や行動制限、ワクチン接種もすすめてきたはずなのに、未だに第○波というフレーズを耳にするたびに、これからさらにどれだけの波に乗ればいいのだろうかと疑問に思います。マスクを始めとした新しい生活様式がすっかり定着し、コロナ前では考えられなかった飲食店に入る前の手指消毒や検温も、当たり前の光景となりました。疑問に思うこともなくなり、いわゆる「慣れ」というものですね。

さて年末といえば大掃除がつきものですが、まずは物理的な断捨離から行い、家がすっきりしたところで、この1年を振り返り心の整理整頓もしておきたいものです。この1年ご自身のこと、ご家族のこと、仕事のこと、人間関係のこと、その他充実していたことはなんでしょうか?反対に心残りはなんでしょうか?どんな時が楽しい気持ちになり、どんな時に不安や焦りが生じたでしょうか?新たに決断したこと、踏み出したことは何でしょうか?すっきり解決したこと、未だに解決にいたらずもやもやしていることは何でしょうか?自分と対話しながら、2022年内にすっきりさせたいこと、2023年にもちこしてもいいことをざっくりと決めておくと、気持ちが楽になります。白黒はっきりさせる必要はなく、あくまでも自分の心のお掃除なので、多少埃が残っていてもそこは見過ごしましょう。

 日々の生活に追われる中でも、好きで時間を忘れて夢中になれることはなんでしょうか?現時点で全くない、おもいつかないのであれば2023年は是非それをみつけましょう。先行きの見えない中でも、自身を癒せるのは他でもない自分です。大掃除をしてすっきりした部屋には、好きなものを置くスペースが必ずできるはずです。心もまた同様、まずは整理整頓、そして好きなもので満たしていきましょう。

 みなさんにとって2023年が、やらなければいけないことだけに支配されず、やりたいことで心を豊かに満たしていけるような、そんな年でありますように切に願っております。

 よいお年をお迎えください。

 

 

 

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