2025年1月14日
共感すること
第66号:2025年1月号
思春期のお子さんとの関係に悩む親御さんはたくさんいらっしゃいます。むしろ悩みがないという方が少数派ですよね。30代後半で出産された場合、母の更年期と娘の思春期がぴったり重なり、女性ホルモンが急激に減っていくため不調をきたす人と、女性ホルモンが急減に上昇して不安定になる人が一つ屋根の下に暮らすことになります。
私は「ルームシェアしている、歳の離れた友人」くらいの距離を意識することをおススメしています。一緒に暮らしていく上で、お互いに快適に暮らしていくためのルールをさらりと話すのです。「からのお弁当は、明日また美味しいおかずを詰めたいから流しにだしておいてね。」「汚れた体操着は洗濯機へダーイブ。」「机の上でダンスしているプリント達を、整列させておいて。」間違っても「なんで○○してくれないのよー!(イライラ)」「何回言わせるの!!(イライラマックス)」「もういいかげんにしてよー!!!(そのうちイライラの原因がよくわからなくなる)」このような状況は、精神衛生上良いことが何一つありません。感情ベースではなく目標ベースを意識しましょう。
さらに意外にできていないことがあります。話を聞いて気持ちに共感することです。大人はすぐに自身の生きてきた経験や価値観を押し付けて、解決方法を一方的に提示しがちです。お友達に対するネガティブな気持ちを話した際に、「そんな風に悪く言わないの」「そんな子とは付き合うのをやめなさい」等一刀両断してしまう。厄介なのが、本気で子供のためと思い無意識にやっているのです。感情を否定された側は、もう二度と話をしなくなります。大人でも同じですよね。自分の正直な気持ちを話したのに、それを否定されたあげく一方的に解決方法を提示されれば、もうその相手に本音を話すことはなくなるでしょう。
負の感情にも耳を傾け、本人の(本当はどうしたいのかという)気持ちに寄り添うこと、親子といえども人格の違う歳の離れた大切な人として尊重すること。そしてなにより、親御さん自身がご自分の不安をお子さんに投影させることがないように、人生を楽しみましょう。
2025年新たな年の幕開けです。目標ベースでよい人間関係を、そして相手に共感することを意識していきましょう。今年もよろしくお願い致します。