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どうして勉強しないといけないの?

2022年6月18日

どうして勉強しないといけないの?

第35号:2022年6月号

「勉強しなさい。(宿題しなさい)」は、「顔を洗いなさい。」「歯磨きしなさい。」と同じくらい、日常的な会話に組み込まれているのではないでしょうか。長らく生きている大人からすると、勉強した先の未来を想像することができるため、つい口をだしてしまいます。ただお子さんにとっては、目の前のやるべき勉強と将来は直結しません。それは、将来の夢があるなしにあまり関係はありません。もちろん明確なビジョンがあって、自らこつこつ学ぶことのできるお子さんもいますが、非常に稀です。

「どうして勉強しないといけないの?」の問いかけに、親御さんはなんと答えますか。私なら、「人生を豊かにするため。」「幸せな人生を送るため。」と答えます。幸せの価値観は人それぞれ違うし、勉強ができなくても幸せにはなれるはずという反論が返ってきそうですが、勉強=学びです。

よく算数の問題なんて日常生活に何の役にも立たないから、やりたくないとなります。実際には、算数の問題そのものが直接的に社会で役立つわけではなく、算数(数学)の公式や数学的な発想は、何か問題が生じた際に、それを理論的に考え、感情的にならずに冷静に判断し解決するための思考力が身に付きます。理科や社会や国語もそうです。歴史を知り、地理を知ることで旅行は数倍楽しくなります。生物や地学や化学を知ることにより、世の中の自然現象をより深く理解することができます。漢字やことわざ、慣用句を知ることにより、多くの本を読み、他人の気持ちを思いやることにも繋がります。勉強すること(テストの点数を上げること)自体が目的ではなく、学ぶことにより得た知識や思考力によって、よりよく生きていくことができると私は思います。

また、人生の選択肢が増えます。どの分野に行くにしても、進みたい道が決まった時に迷わず踏み出せる勇気にもなり、それを叶えることができるからです。お子さんにだけ勉強を強いても、なかなかやる気スイッチは入らないものです。大人も日常的に学んでいる姿勢を見せて、時には一緒に机に座って「今学校でどんなことを勉強しているのか教えて!」と聞いてみる。過去に親御さんが、勉強ができたかどうかなんて関係ありません。今から新しいことを一緒に学んでいこう、人生を豊かなものにしていこうという発想が大切なのではないでしょうか。

共に学び、成長する。幸せな人生を歩むために、だから勉強は必要。