その子(人)らしさでよい
2024年10月5日
その子(人)らしさでよい
第63号:2024年10月号
「男の子は男の子らしく・女の子は女の子らしく」これを性別役割分業と言いますが、みなさん未だにこの呪縛にとらわれていないでしょうか。多様性が求められる令和の時代においても、明治時代から続く家父長制が、日本は根深く残っていると感じています。選択的夫婦別姓が法律上認められないのも、個よりも家を重んじるそういった価値観が強いからだと思います。
とかくお母さんは、いくつになっても男の子の身の回りのお世話を焼くことが多いのではないでしょうか。幼いうちは仕方がありませんが、10歳過ぎたらどんどん手放していく必要があります。なぜなら男女関係なく、掃除も洗濯も料理も生きていく術は将来個人で担っていくものであり、誰しもが生きる上で必要だからです。将来お母さんの役割をパートナーに求めることは、まさに性別役割分業の最たるもので、これからはますます時代錯誤になっていくことでしょう。実際に家事や育児の女性負担が大きい国(日本や韓国等)は少子化に歯止めが効きません。
男女問わず、個として経済的にも精神的にも生活的にも自立しているからこそ、お互いに対等なパートナーとして協力しあって生きていくことができると私は考えています。男らしや女らしさを一方的におしつけることは、個人のアイデンティティー(自分らしさ)を踏みにじることに等しいからです。性別に関係なく、個性が真に尊重される時代はすぐそこに来ています。子育てにおいても、他の子との比較や性別によるらしさをおしつけるのではなく、その子らしさを認めてあげることがなにより大切です。そして親たち自身も、性別役割分業を手放して、もっと自分らしさを表現し自由に生きていけばいいのです。人間関係においても、お互いにその人らしさを認め合えれば、より深く温かい交流ができるのはないでしょうか。
これから大切なことは、今まで押し付けられてきたあらゆる古い価値観をまずは疑ってかかること、そして自分自身の心の声に耳を傾けて自分らしさとは何かを問うこと、さらに子どもたち一人一人のその子らしさを尊重すること。
大人もそろそろ手かせ足かせを外して、自分らしく自由に生きていいのですよ。そのためには、自分で生き方を選ぶ覚悟と努力が必要ですが。