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丁寧な言葉で暮らす

2024年8月31日

丁寧な言葉で暮らす

第61号:2024年8月号

 「お前、ふざけんなよ!」「てめー、いい加減にしろよ!」街中で親御さんがお子さんに投げかけていた言葉です。こういう光景にしばしば遭遇します。私は、例え家族であっても、「お前」や「てめー」なんていう呼び方をされたくないですし、そんな言葉遣いをする人とはそもそも一緒に暮らせませんが。小学生でもびっくりするくらい汚い言葉を使うお子さんがいるのは、日常的に一番近い大人である親御さんの影響が、少なからずあるのではないかと思います。

 他にも、「キモイ・ヤバイ・エモイ」の頻発、「なんかー」の連発、大人でもお友達言葉でしか話せない方は結構多いものです。相手に自分の気持ちや状況を伝えるための道具である言葉は、その人自身の人柄や品格を顕著に表わします。汚い言葉を使えば使うほど、それは自分に返ってくるので、温かい人間関係からは遠ざかっていきます。なぜならば、心ある人が寄り付かないからです。お世話になっている心理カウンセラーさんが、メールマガジンで「人間の構成として、心ある人間:全体の20%、心無い人間:全体の20%、どちらでもない人間:全体の60%、あなたはどの人間と繋がりたいですか?そして、あなた自身はどの人間になりたいですか?」と書いてらっしゃいました。

 改めて、私自身がどうしたいのかを考えさせられました。家族でも、友人でも、仕事仲間でも、患者さんに対しても、まずは丁寧な言葉遣いをするところから全ての人間関係が始まるのではないかと思います。良好な関係を築いていくには、家族であっても朝はきちんと挨拶をする、「ありがとう・ごめんね」を言葉で表すことが大切だと思います。一方的に感情にまかせて攻め立てたり、汚い言葉(いわゆる暴言)を吐いたりしないのが基本です。そうは言っても、感情的になってしまうこともあり、そういう時は後で素直に謝ればいいのです。

 昨今家庭内のモラルハラスメント(精神的DV)が問題となっています。している方もされている方も気が付きにくく、家庭内のため表面化しない分、後々深刻なダメージを受けてしまうこともしばしば。

日頃から丁寧な言葉を意識して、心ある人と繋がり、自身も心ある人間になりませんか。