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情報を味方に

2021年2月15日

情報を味方に

第16号:2020年11月号

 

ネットで検索すれば何でも欲しい情報が手に入る時代、その手にした情報は日々の生活に本当に役に立つものでしょうか?

 

微熱が続くので心配だと来院された小学生のお子さんとそのお母さん。どうやら「微熱・子ども」で検索したら、「小児がん」とでてきたため、小児がんではないかとのこと。もちろん、小児がんの初期の症状には微熱が続くというのがないわけではありませんが、反対に微熱のお子さんで小児がんだった方がいったいどれほどいるでしょうか。そもそも小児がん(0~14歳)の罹患率は、人口10万人あたり12.3人です。実に0.0123%、これはネットでも楽に調べられる数字です。まずは、お子さんの様子をよく観察して、このところ学校や習い事で疲れていなかったかな?急に涼しくなったから体調を崩したのかな?週末はゆっくり休ませてみようかなと考えるのが自然な流れではないでしょうか。微熱=小児がんはあまりに飛躍しすぎといえます。他にも、頭痛=脳腫瘍、鼻血=白血病、首のしこり=悪性が心配等、上げればきりがありません。

 

どれも、情報に惑わされ、得体のしれない不安にさいなまれてしまった結果ではないでしょうか。あるいは検索しなければ、知らなければ発想しなかったでしょう。ある物事を大変よく理解している、または全く知らなければ「偏見」は生まれません。中途半端な情報に一喜一憂して、なんだかよくわからないけど怖い・不安・心配の成れの果てが「偏見」です。情報を鵜呑みにして、あたかも自分の考えかのような錯覚におちいる、これはまさに思考停止状態です。

 

日夜垂れ流される情報の中から、本当に信頼できる情報を探し出し、さらにその情報が自分や家族にとつて本当に有益なものなのか、今一度しっかりと自分の頭で考えるくせをつける必要がありそうです。

情報を味方にして、穏やかな日々を送りたいものですね。