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苦しい時こそ冷静な対応を!

2021年2月15日

苦しい時こそ冷静な対応を!

第9号:2020年4月号

 

乳児に当たり前のように接種していたBCGが急に足りなくなりました。開院してからも、その前もこんなことは初めてです。少し前は喘息治療薬のオルベスコ(吸入ステロイド薬)が品薄になりました。喘息の定期通院の方が多いわがクリニックでは、これまた日常的によく処方する大切な薬です。一体何がおきたのでしょうか?

一部報道により、新型コロナウイルスで入院中の患者さんにオルベスコを投与したら、呼吸状態が改善した。BCGを接種している地域は、重症になる人が少ないといったことから、いわゆる普段使用しないところからの発注が増えたと考えられます。

これはいわゆる、買い占めと同じ原理です。供給はいつも通りで本来なら不足するはずがないのに、突然行き届かなくなる。乳児は公費でBCGを接種できる権利があります。喘息児も治療できなければ、発作に見舞われます。まさに本末転倒ではないでしょうか。BCGを接種できなくなる乳児のリスクなどおかまいなしなのです。

ピンチのときこそ、人間の真価が問われます。不安をあおるような情報をうのみにして、買い占めをはじめとする自分さえよければ的な行動。または、自分は大丈夫と根拠のない自信と不適切な行動で、結果的に周囲を傷つけてしまう。こういう時こそ、自ら正しい情報をとりにいく。とり方がわからなければ、信頼できる人が発信しているものを追いかけ、正しい知識を得ていく。漠然とした不安は、さらなる不安を助長し、怒りの感情は増大していきます。子どもの命も自分の命も守るために今何をすべきか?

 

ひとりひとりが冷静に考え行動してこそ、先の見えないこの状況を打開する一歩につながるのではないでしょうか。こんな時だから、子どもの隣に座って一緒にお勉強、並んでお料理、ゆっくりお風呂、ストレッチ、楽しい会話。苦しい状況だからこそ、努めて気持ちを穏やかにしたいものですね。