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リスクは平等

2021年2月15日

リスクは平等

第7号:2020年2月号

 

「どうせ打ってもかかるから」「家族でやるとお金がかかるから」毎年巷の声が聞こえてきます。打ってもかかる=打たなくてもよいという極めて短絡的な発想としか言わざる🙊を得ません。打ってもかかる=それくらい感染力が強い=まともにかかったら重症になる=時に命を落とすこともある。これが、われわれ医療者の発想であり、命を落とさないまでも肺炎で入院する子、重い後遺症を残してしまう子をみてきているからこういう考えになります。
診察室に入って来る様子で、ワクチンを打っていないインフルエンザの子はすぐにわかります。大きな子でも立ち上がれないくらいぐったり。これが続いたら体力を消耗してしまいます。抗ウイルス薬は種類が増えましたが、早く飲んだからといって、肺炎や脳症等の重い合併症にならないということはありません。何よりワクチンを接種することで、重症化を防ぐしかないのです。にもかかわらず、毎年打たない人がほとんど。日本人の接種率は25%と4人に1人です。かかる・かからないが問題ではなく、仮にかかってしまっても重症化しないように備えておく。
またお子さんがかかって、働くお母さんが1週間仕事を休む、兄弟やお父さんにもうつって学校や仕事を休む、時に入院なんてことも。その損失と家族の負担を考えたら、3500円×家族人数のワクチンは、はたして高いでしょうか?

自分の子どもだけは、我が家だけは大丈夫なんてことはありません!リスクはみな平等です。過剰に心配する必要はありませんが、信頼できる情報の元、できることすべきことをやっておく。それこそが親として子どもに注げる愛情のひとつではないでしょうか。「子どもが嫌がるので」「予約がとれなくて」というよくある言い訳。それを聞いていつも思うのは、親御さん自身も必要と思っていないからやらないだけと。子どもが嫌がるから、我が家では勉強させませんという家庭はありますか?嫌がるからやらないは、役割を果たせないことの隠れ蓑。できない言い訳はそろそろ卒業しましょう、リスクはみな平等ですから。