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心の処方箋

2021年2月15日

心の処方箋

第2号:2019年9月

 

先日、小学校2年生の女の子がこんなお話しをしてくれました。“学校で鉄棒から落ちて、顔にけがをしてしまった。保健の先生が、絆創膏をはってくれて、最後に「痛かったね」と言って、ぎゅっと抱きしめてくれた。それがとっても嬉しかった”と。素敵なエピソードですよね。けがをした直後で痛いし、けがをしたショックもあったでしょうが、先生が抱きしめてくれたことで、きっとその子の痛みは半減したことでしょう。

「けがをしないように、気をつけなさい」とか、「もうなんで落ちるかなー」とか、親ならいってしまいそうなところですが、さりげなく子どもの心に寄り添ってくれた保健の先生は、子どもの良いお手本になったと思います。きっとその女の子は、誰かが同じようなけがをしたとき、「痛かったね」「つらかったね」といいながら、そばにいてあげるかもしれません。

子どもは、“親のいう通りにならないが、する通りになる”と言われます。ついつい、日常的に「あいさつしなさい」「お礼をいいなさい」「本を読みなさい」「勉強しなさい」「それをしてはだめ」「なんでそんなことするの?」と否定や禁止、命令語のオンパレードになっていないでしょうか。親御さんが笑顔で挨拶していると、やがて子どももそれを真似て挨拶するものです。そんなタイミングで、目をみて笑いかけて、「上手にご挨拶できたね」といいながら、頭をなでてみてください。子どもはそれが嬉しくて、これからも挨拶することでしょう。親が日常的に本を読み、何かに頑張る姿をみて、子どもも奮起するものです。われわれ大人は、先述の先生のように子どもの良いお手本でありたいものですね。

 

子どもの心に本当に響くもの。それは言葉ではなく、表情や態度、姿勢なのかもしれません。100回同じことを言うよりも、たった1回態度で示したことの方が、よりずっしりと心に刻まれることもあるのではないでしょうか。

 

笑顔で抱きしめる。忙しい日常の中で、そんな余裕を少し持てたらいいですね。