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家族サービスという違和感

2021年8月12日

家族サービスという違和感

第25号:2021年8月号

 

 メジャーリーガーや監督は、家族のイベントがあると率先して試合を休むそうです。一方日本はどうでしょうか、子どものイベントのために敢えてお父さんが有休をとること、ましてや男性の育児休暇なんてハードルが高いのが現状ではないでしょうか。日曜日に家族と出かけるときも、同僚には「週末家族サービスだから」とあたかも特別に自分が努力してサービスする感が否めません。

コロナ禍で働き方も随分かわりました。お父さんが在宅してくれて、家事や育児を率先して一緒にやってくれることがありがたいと話すお母さんもいれば、かえってやることが増えてストレスだと愚痴をこぼす方も・・・。この違いは一体何でしょうか。お子さんの受診や健診、ワクチンに至るまで、お父さんが一人でお子さんを連れて来院されることが、この数年で本当に増えました。お子さんの病状や日頃の様子をお伺いした際に的確な返答があると、しっかり育児されているなとこちらが嬉しくなります。家事や育児を主体的に担っていくことは、家族として当然の役割だと思います。「稼ぎ男に繰り女」や「男子厨房に入らず」といった長きに渡り性別で役割分担を押し付けてきた日本の悪しき歴史からすると、本当にいい時代になったと日々実感しています。

しかし一方でまだまだ仕事がメイン、子どもや家庭のことはすべて奥さん任せで、家族との時間はサービスやサポートといった主体的になれない古典的な発想も受け継がれているのが現状です。本来は仕事のときも、家族と過ごしているときも、どちらも個人にとっては大切な時間のはずです。ジェンダーギャップ指数が世界120位(世界156カ国中)と驚くほど低い日本。今の子どもたちが大人になった時に、社会も家庭もこのギャップを埋めて、お互いに自立して尊敬しあい労わりあいながら、温かい家族を築いてほしいと切に願うこの頃です。

家族サービスではなく、家族だから当たり前に。