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新しい教科書

2021年2月15日

新しい教科書

第12号:2020年7月号

 

普段の診療の中で、正直「え?どこが心配なの?」と思ってしまうような些細なお悩みで受診される方がいます。親御さんにしてみれば、それは些細なことではなく、子育ての苦悩の中で徐々に膨れ上がってしまった不安が、お子さんのほんの少しの変化や違いに投影されてしまっているのではないかと最近考えるようになりました。

 

当たり前ですが、子どもはひとりひとり違います。それを個性とよびますが、違うからこそおもしろく、違うからこそ育てがいがあるというものです。顔や体形、髪質、爪といった見た目から、病気になりやすさなりにくさといった体質的なもの、性格。兄弟姉妹でも、同じ親から産まれたのにこんなにも違うの?と不思議に思うことも多いですよね。

 

だからこそ、子育てに決まった教科書は必要ないのです。個性に合わせて、個性を認めて、時に知恵比べをしながら、楽しみながら、年の離れたよき理解者相談者として、ゆったりと向き合っていけばよいのではないでしょうか。各家庭の中で新しい子育て本を、時間をかけて描いていけばいいのです。

 

子どもの体の事や性格的なこと、目先の小さな事に一喜一憂してしまう時は、親御さん自身の気持ちに余裕がなく、苦しい状況におかれている時だと思い、周囲に黄色信号を発信してみてはどうでしょうか?本来子育ては、個性豊かな才能をもった、未来ある人格に向き合えるすばらしい営みなはずです。しかし子育ての中では、日々のイライラや不安、先の見えない苦しさに押しつぶされそうになることもしばしば。

 

そんな時は、親もまた親になるための試練を与えられているのです。なぜなら、誰にもまねできない新しい子育て本を、今まさに描いている途中なのですから。