私たちにできること
2025年11月29日
私たちにできること
第76号:2025年11月号
「英語を話せるようになりたいけど、毎日勉強するのは嫌です。」と言われたら、英語の先生はきっとお手上げです。「いつまでに、英検〇級に合格したいから、そのためにどの教材を使って毎日どのくらい勉強すればいいか教えてください。」と言われれば、親身になってくれることでしょう。私たちもまったく同じです。「風邪をひく度にぜいぜいする辛い咳を治したいけど、喘息治療はしたくないです。吸入ステロイドは嫌です。」「荒れている皮膚をきれいにしたいけど、ステロイドや保湿を毎日塗るケアは面倒です。」「食物アレルギーを克服したいけれど、毎日少しずつ食べていく治療は大変そうだからやりたくありません。」このように言われてしまうと正直お手上げなのです。
英語の例えのように、具体的な目標がある=自分の事として捉えている、そのため努力ができる。そうであれば、いくらでもアドバイスはしてもらえますし、途中うまくいかなければ、軌道修正しながら一緒にゴールを目指せるでしょう。医療の世界も同じです、ご本人とご家族が治したいと思えるか=自分達のこととして捉えられているかどうかです。先生に言われたから、ちゃんとやらないと怒られるから、本当はやりたくないけどしぶしぶ、だからやったりやらなかったりでは効果は期待できせん。乳幼児であれば、ご本人に代わって親御さんに主導権を握ってもらう必要があります。喘息治療を中断してしまい、発作を起こして駆け込んでくる方が後を絶ちません。スキンケアを怠り、痒みが強くひっかいた傷から感染して、「とびひ」になるお子さんもいらっしゃいます。不注意からアレルギーのある食品を誤食してしまい、搬送される方も。また、お子さんの病状をお聞きしても「???」で全く把握していらっしゃらない、それではどうすることもできないのです。専門家の力を、皆さん自身が生かしきれていません。
お子さんの身体のこと、大きくなればご本人自身が、自分事として向き合ってこそ、私たち専門家のアドバイスは生かされます。あくまでもこうすれば良くなるというご提案なので、そこに強制力など何一つありません。最終的にそれをやるかやらないか、その結果にもご自身が責任を持っていただきたいと思っています。
自分事として捉えて、専門家の力を存分に生かし、日々実践して健康に過ごしていただきたい。それが私たちの願いなのです。